秘密保護法の廃止を求める会長声明

秘密保護法の廃止を求める会長声明

 本日、政府は、特定秘密の保護に関する法律(以下「本法」という。)を施行した。当会は、憲法上の重要な権利である国民の知る権利を侵害し、国民主権を形骸化する重大な欠陥を有する本法に対し、その策定段階から反対し、法律成立後も一貫して廃止を求めてきた。
 本法によれば、行政機関の長は、政府の違法な活動に関する情報や秘密として保護に値しない情報についても秘密指定が可能である。しかも、そのような秘密指定に対して、秘密指定の要件が充足されているか否か、あるいは、政府の違法な活動に関する秘密が指定されていないか否かをチェックする第三者機関が設けられていない。逆に、市民、国会議員、報道機関がチェックのため情報にアクセスしようとすれば重い処罰の対象となる。この結果、市民は、正しい意思決定を行うために必要な情報にアクセスできなくなる。
 以上のような批判を受けたことから、本年10月に閣議決定された「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準」(以下「運用基準」という。)には、「公益通報の通報対象事実その他の行政機関による法令違反の隠蔽を目的として指定してはならないこと」との規定が設けられた。しかしながら、運用基準はあくまでもガイドラインに過ぎず、運用基準に禁止事項を規定したところで、違反に対して何らのペナルティも課されないところにこそ、本法の欠陥があらためて露呈したものと言わなければならない。
 また、運用基準には、特定秘密の指定及びその解除並びに特定行政文書の管理の適正さを検証・監察するため、内閣府に「独立公文書管理監」を置くとされているが、本来、このような権限を行使する機関には、法律上、政府から独立した地位を保障し、明確な権限を与えなければならない。しかし、「独立公文書管理監」は、内閣府からは独立しているものの、政府から独立した機関ではないし、チェック権限も不十分であり、本法には、その運用のチェックに必要な第三者機関すら設置されないことが明らかになっているのである。
 さらに、本法に違反した場合の裁判がどのように進められるのかは十分な検討や議論がなされたとは言えず、本法制定の拙速・乱暴さは、昨年の12月6日の強行採決から、何ら変わっていない。
 当会は、本法のこのような重大な欠陥について、決して目を瞑ることはできないのであって、本法を廃止したうえで、国民主権の確立のために不可欠な情報公開制度・公文書管理制度の改正の議論とともに、秘密保全法制の在り方について、国民的な幅広い議論を行うことを強く求めるものである。

2014年(平成26年)12月10日
大阪弁護士会      
会長 石 田 法 子

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