弁護士会から
広報誌
オピニオンスライス
-
コベルコ神戸スティーラーズ
山中亮平さん
YAMANAKA, Ryohei
ラグビーは今年がワールドカップイヤー。9月からフランスで開催されます。
2019年の日本大会で日本代表は史上初めて決勝トーナメントに進出。多くの感動が生まれました。山中亮平選手は、日本人離れした大型のバックスとして大活躍。日本躍進の原動力となりました。
ワールドカップ代表合宿が始まる直前の大変お忙しい時期、トレーニングの合間にお話をお聞きしました。
大阪のご出身だとか。いつからラグビーを始めたのですか。
大阪市住之江区の出身です。中学校でサッカー部に入っていたのですが、となりで練習していたラグビー部の顧問の先生に誘われたのがきっかけです。ラグビー部の方が楽しそうだったので。その後、東海大仰星高校から早稲田大に進み、神戸製鋼に入りました。
前回ワールドカップのスコットランド戦を横浜のスタジアムで見ていました。勝利へのカウントダウン。山中選手のタッチキック。ノーサイド。そのときの興奮は忘れられません。山中選手のワールドカップの想い出を聞かせて下さい。
2015年大会はバックアップメンバーとして参加していました。2019年は日本開催なので絶対に出たいという気持ちでした。代表メンバーに選ばれ、しかも全試合に出ることができました。あのような大舞台で経験できたことは、すごく自信になりましたし、あの経験があったからこそ大きく成長できたと思っています。
一番想い出に残っている試合は?
難しい質問ですね。ゲームの途中から出た開幕戦。ノーサイドのキックを蹴り出して決勝トーナメント進出を決めたスコットランド戦。決勝トーナメントの南アフリカ戦。どれも印象に残っています。
南アフリカ戦は負けはしましたがすばらしいゲームだったと思います。
私もそう思います。南アフリカ戦は、準備して準備して力を出し切っての負けでした。力を出し切れず、ふがいなく負けたのではない。やってきたことをしっかりだして、それでも勝てなかった試合でした。
日本代表の現在の調子やワールドカップでの見通しを教えてください。
今の日本代表はすごくいいチームになっています。4年前よりも確実に強くなっています。若手とベテランの組み合わせがよく、いい関係性ができている。昨年、一昨年はハイパフォーマンスユニオンの上位チームとの試合に勝てませんでしたが、昨年のオールブラックス戦はいい課題が見つかるゲームができていて、チームとして成長していると実感しています。
プールDはイングランドやアルゼンチンなど強豪が入っています。
たしかに強いと思います。イングランドもアルゼンチンもそうですが、ほかのチームも強い。どの相手でもいい準備をしないといい結果はついてこないでしょう。試合までの過程がたいへん重要になってくると思います。
ワールドカップの優勝候補はどこでしょうか。
もちろん日本も優勝を目指しています。ハイパフォーマンスユニオンのチームは全部強いですし、どのチームも優勝する力があります。アイルランドもオールブラックスも。それらの強豪に対して日本がどれだけ結果を出していけるかです。日本は先日ハイパフォーマンスユニオンに入りましたし、これからますます強豪国になっていくはずです。
日本代表のどこを見てほしい?
強い相手、自分たちより大きい相手に対して、日本代表しかできないラグビーがあると思います。低いタックルであるとか、頭を使ったラグビーであるとか、そういうラグビーを見てほしいと思います。
山中選手の代表に向けての意気込みを教えてください。
6月から日本代表の合宿が始まります。まずワールドカップメンバーに入ることが一番なので、そのためにしっかり準備して、ハードにトレーニングして、そしてワールドカップメンバーになって、4年前のベスト8を超える結果を残したいと思っています。このワールドカップが最後だと思っていますので、自分のラグビーの集大成にしたいと思っています。
山中選手のアピールポイントは?
わかりやすく言えばキック。とくにロングキック。それとパスです。
100キロを超える巨大な相手にタックルにいくのは怖くないですか。
怖いとは思わないですね。タックルもスキルなので。自分のタイミングでどれだけ入れるか、練習していればシチュエーションになったときにタックルできます。
以前はスタンドオフでしたが、前回大会はフルバックでした。スタンドオフとフルバックの違いを教えて下さい。
2018年にフルバックに変わりました。同じバックスではありますが、まったくちがうポジションです。スタンドオフはゲームメイクしコントロールするポジション。フルバックはディフェンスの最後の砦となるポジションです。フルバックはボールを持っていない時の動きがたくさんありますし、相手のキックをキャッチして、そこからカウンターアタックを仕掛けるあたりもちがうところですね。
神戸製鋼(コベルコ神戸スティーラーズ)のことをお聞きします。今シーズンのリーグワンはいかがでしたか。
カンファレンスの真ん中ぐらいで、上位にいけませんでした。最後まで修正できずにシーズンが終わってしまった感じで残念でした。
リーグワンのトップ4は関東のチームばかりでした。関西のチームであるコベルコ神戸スティーラーズにはぜひともがんばってほしいのですが。
次のリーグはワールドカップの後に始まります。2018年に優勝してから十分な結果を出せていませんので、チームとして変わっていかなければならない時期に来ているのはまちがいありません。ヘッドコーチやスタッフも代わりますし、オールブラックスのレタリック選手など外国人選手も入りますし、若手も成長しているので、かみあっていけば必ずいい結果がついてきます。
この冊子を手に取っているだろう弁護士、裁判官、検察官に伝えたいことはありますか。‥‥‥もしあればですが。
う~ん。どうですかねえ。ないですねえ(笑)。
最後に、ラグビーのいいところ、こんなところを見てほしいというところを聞かせてください。
ラグビーはいろいろな個性の人ができるスポーツです。身体が大きい人、小さい人、足が早い人、遅い人、一人一人役割があって、そういう人たちが一つのチームとなって力を合わせて勝利を目ざすというのがラグビーの魅力だと思っています。そういうスポーツはラグビーしかないんじゃないかと。
2023年(令和5年)6月1日(木)インタビュアー:宮島繁成
RUGBY WORLD CUP FRANCE 2023
開幕戦 9月8日 日本時間4:15
決勝戦 10月28日 日本時間21:00