弁護士会から

広報誌

小林さやかさんインタビュー

映画「ビリギャル」主人公

小林さやかさん

Kobayashi,Sayaka

映画「ビリギャル」の主人公小林さやかさんにインタビュー。人生における果敢なチャレンジとそれに必要なマインドセットについて、余すところなくうかがいました。我々弁護士にとってもとても参考になるお話でした。最近ローンチされた英語学習サービス「AGEL English」と英語の勉強法についてのお話も。海外生活や留学を考えている方、必読です。

慶應を目指した当時を振り返って

小林さんといえば、慶應義塾大学に入られた受験の話が一番よく知られていると思いますが、慶應を目指した動機を教えていただけますか。

キラキラした世界に行きたいという憧れが一番最初の動機でした。ビリでギャルだった私にとって、慶應にまつわる情報は櫻井翔君が行ってるところだ、ぐらいの情報しかなかったんですが、櫻井翔君が行ってる学校ってめっちゃキラキラしてそうだなと思って。

最初はそんなキラキラした世界に私も行っていいんだという感じでアクセルを踏んだんですけれども、一番大きな動機は、坪田先生みたいになりたいということでした。坪田先生と話す時間が物すごく楽しくて、物を知っている人とか勉強ができる人ってこんなに話が面白いんだという感動のほうが大きくなって、慶應に行って私も仲間入りしたいという動機のほうが大きくなりました。

ご著書で、挑戦するに当たって必要なこととして、感情でエンジンをかけるということをおっしゃっていました。それは具体的にどのようなことでしょうか。

慶應に行ったらこのぐらいの就職率で、年収がいくらになってというのはロジック、数字ですよね。年収が全てみたいな人はそれでテンションが上がってエンジンがかけられると思うのですが、私はあまりそこに興味がなくて。むしろ、そんな世界に行けたら楽しそう、私、どんな人生になっちゃうんだろう、みたいなわくわくする気持ちが大きくて、頑張ることができました。人間というのは感情で動く生き物で、理屈ではあまり動かない。どうしてもそれを達成したいと思ったときしか、底力って出せないんです。という意味で、感情でエンジンをかけるということです。本人がわくわくする目標を立てないと、周りがびっくりするようなパフォーマンスは出せないと私は思っています。

お母さんが作ってくれた土壌と、そこに種をまいてくれた坪田先生

感情でエンジンをかけていた小林さんにとって、大きかったのは坪田先生とお母様の存在だと思いますが、どのように小林さんのことを導いてくれたのでしょうか。

イメージ的には、うちのお母さんが土壌を作ってくれて、坪田先生が種をまいてくれたという感じです。

うちのお母さんは基本的に全部褒めるんです。私は小学校の時、引っ込み思案ですごく自信がなくて、ネガティブでした。それで、私が小学校で勇気を出して友達に話しかけてみたら無視されたとか、そういった話をうちのお母さんに全部言うと、「すごいね、さやちゃん、そんなことに挑戦できたんだね」と、プロセスに光を当てて褒めてくれました。「そこでさやちゃんは何を学んだの?さやかは必ず幸せになれる子だから、この経験はすごく意味のあるものだからね」という言葉がけを幼少期からずっとしてくれて、それによって、私には失敗を失敗と受け取らないマインドセットができ上がったと思います。これは生涯の宝物になっていて、だから、偏差値28からでも慶應に行ってやろうと思ったし、失敗を恐れないで挑戦するようになったんだと思います。

こういったマインドセットは、認知科学の分野でグロースマインドセットといって、努力したら伸びるよと信じる力のことです。この対極にあるのがフィックスドマインドセットで、努力したってもともとの能力は決まっているんだから、成功する人はそういう才能があっただけと信じてしまうんです。フィックスドマインドセットだと、挫折したら、やっぱり私は何をやってもできないんだ、二度と挑戦したくないと思うんだけど、グロースマインドセットだと、次はどうやるかなと失敗から学びを吸収しようとして、成功確率が高くなる。どっちのマインドセットを持っているかによって人生が全然変わってしまって、これが土壌だと思っているんです。この土壌を育ててくれたのは紛れもなくうちのお母さんがやってくれたことです。

そこに坪田先生が現れて、種をまいた。さやかちゃんってさ、慶應とか行ったら楽しそうだよねという種をまいたんです。私が、えっ、慶應行っていいんだ、じゃあ私、大学行こうかなみたいな、そこでぱっと芽が出て、坪田先生が水をやってくれて、花が咲いたみたいな感じだと思っています。

それに、プロセスを褒めてもらえると、自分はあそこで気づけて、これが学べたから、ここにたどり着いたんだというプロセスが見られるようになるし、人に対しても、この人は今まだここにいるけど、ここでいろいろ経験して、プロセスから学んでいけばこうなっていくというように、他人の能力も信じることができるようになります。だから、どんなマインドセットを持っているかというのは人間関係にも関わってくる大切なものだと思うんです。

自分に対しても人に対しても、決めつけないで受け入れられるようになるということですね。小林さんは受験も留学も成功されて、結果にもフォーカスされ続けてきたと思うのですが、その中でグロースマインドセットはどうやって保ち続けていらっしゃったのでしょうか。

私、いつも成功していると言われるんですけれども、毎回第一志望は落ちてます。ここが受からなかったらどこも受からないと思っていたところが落ちて、受かる見込みがないと思っていたSFCに受かって慶應に入れたというだけです。これを失敗と受け取る人もいるじゃないですか。

でも、これは認知の問題だと思っていて、仮に慶應に全落ちして明治に行っていたとしても、私としては大成功なんです。だって、偏差値28で高卒のはずだったんですよ。物事はいつも多面的で、ネガティブにも見れるし、ポジティブにも見れる。でも、私たちはまずネガティブに見ようとする癖がすごく強いんです。リスクを察知して回避するという生存本能で脳がすごく働くので、元来、超ネガティブに捉えがちなんです。それに無理やりにでもポジティブに光を当てて、知識も伸びちゃうし、1年前とは別人なぐらい脳みそは発達するし、私、成功しているんじゃないのと思える人が、多分また挑戦してどんどん成功していくんです。

「コーチ」を見つけるために必要なこと

小林さんは、坪田先生をティーチャーでなく「コーチ」とおっしゃっているのが、印象的です。坪田先生のようなコーチを見つけるには、あるいはコーチがいない人はどうすればよいでしょうか。

世界を広げることだと思います。地方に行けば行くほど保守的な考え方が強いのは私も感じています。でも、だからできないで終わるのはもったいないと思っていて、あなたがいる活動範囲にそういう人がいなくても、その外にはめっちゃいるので、だったら受験を頑張って一人暮らしできるようなところに行っちゃうのもありだし、日本はどこに行っても生きづらいという人は海外に行けばいいと思ってます。

私ですら、ニューヨークに行っていた時期は息がしやすかったです。誰も私のことを見てないし、よくも悪くも自分さえよければいいという社会で、私を監視している人は誰もいないというか、私が何をしても究極どうでもいい。こうやって生きてもいいんだと、私は鎖が全部取れたような感じがしたんです。だから、今生きている世界に一生いるなら確かに終わりですけれども、その範囲は自分の努力と選択でいくらでも広げていけるわけじゃないですか。だから、生きづらさを感じているんだったら、なるべく自分の生活圏を変える、広げる。そうすると、私にとっての坪田先生みたいな人が必ず出てくるので、その人たちに出会えるところまで出ていくべきだと思います。

ヘドニックウェルビーイングとユーダイモニックウェルビーイング

今おっしゃった世界を広げるために、例えば職場を変える、環境を変えるという場合に、思いのほか精神的負担が大きくて心を病んでしまう人もいると思うんですけれども、その辺のバランスはどうやって保たれていたのでしょうか。

ウェルビーイングにはヘドニックウェルビーイングとユーダイモニックウェルビーイングの2種類あって、この2つが埋まっていたら、絶対病むことはないんです。

ヘドニックウェルビーイングというのは、好きな人とご飯を食べている瞬間とか、おいしいものを食べた時とか、欲しいものをもらった時とか、物質的に恵まれていてポジティブな感情をいっぱい感じている時です。この瞬間も大事なんですけれども、これだけでは病む。なぜかというと飽きるから。慣れてきて、もっとってなるんです。例えば欲しかった鞄をクリスマスに彼氏からサプライズでもらったら、すごく嬉しいし超幸せなんだけれども、その幸せだという気持ちは来年まで続いてますか?ということです。

見慣れてしまうということでしょうか。

何なら忘れちゃうでしょう。ハワイのビーチで寝っ転がっていても、最高なのは最初の3日くらいで、2か月も寝っ転がっていたら鬱になるんじゃないでしょうか。だから、人はヘドニックウェルビーイングだけでは幸せになれないんです。

ユーダイモニックウェルビーイングというのは、自己成長とか自己実現から来るもので、病む人は、どちらかというとユーダイモニックウェルビーイングが欠けていると思っています。例えば、上司から「おまえなんか生きてる価値がねえ」みたいなことを言われ続けると、自分が成長している感覚とか自分が生きている価値みたいなものを感じるユーダイモニックウェルビーイングが欠けて病むんです。だから、自分の価値を否定してくる人の近くにいては駄目です。でも、これを埋めるために自分でもできることはたくさんあります。自分ができるといいなと思っていることを、勉強や努力を重ねてできたという成功体験があると、上司はむかつくままだけど、気にしなくなる。

人はヘドニックウェルビーイングだけで幸せになれると勘違いしている節があるんですが、ユーダイモニックウェルビーイングを満たすことが重要です。

自分があまり肯定されない場所にいる人は、自分にマイナスな影響を与えてくる人を変えようとするよりも、その人とは別の軸がある何かを探すことのほうがよいのでしょうか。

人を変えるのは難しいですよね。特に親なんか一生変わんないよ。だから、そこに労力を使うより、世界を広げていったら絶対プラスの影響を与えてくれる人に出会うので、そのほうが早いと思います。

親の子どもとの向き合い方

小林さんのお母様のように、子どもの夢を理解し続けることは簡単ではないと思っています。子どもの夢との向き合い方について教えてください。

親と子はそもそも別の個人なわけで、時代も違うわけだから、親御さんが生きてきた時代と今の時代の当たり前とは全然違うということをまず認識したほうがいいと思います。

ちょっと前に聞いた話で、一昔前、ある男の子がAmazonに内定をもらった。今だったらすごいけれども、それが30年前だったら誰もAmazonを知らない。Amazonは、1994年設立だけど、その時に男の子のお母さんは何て言ったかというと、「そんなふざけた名前の会社、絶対やめなさい」と。それで男の子は内定を蹴ったという話を聞いたことがあるんだけど、そういうことじゃない?

親の時代の当たり前と子の時代の当たり前とは、大分隔たりがあるということをまず認識しないといけないんです。

あともう一個、そういった親御さんには、ユーダイモニックウェルビーイングが欠けていることが多いです。

子育てがユーダイモニックウェルビーイングになっていたということですか。

子どもを中学受験に成功させるとか、いい大学に入れるとか、それに生きがいを感じて、子育てを通じてユーダイモニックウェルビーイングを感じている方もいるんです。それで、今まで私がいないと生きていけなかったのに、みんなどこかに行っちゃったという寂しさと、私は何のために生きているんだろうというふうになりやすいのが、子育てが終わりかけている親御さんたちなんです。

こういう人は趣味を見つけたり、新しい資格を取ったりするとよいと思います。私はそれが心配で、うちのお母さんに学びたいことはないの?と聞いたら、アートが学びたい、学芸員になりたいと言ったので、大学に入れて、60歳で大学を卒業したんです。パソコンの使い方も分からないようなおばちゃんが論文を泣きながら何回も書き直して、それでも大学を卒業したという経験がうちのお母さんのユーダイモニックウェルビーイングをすごく埋めて、とても元気になったんです。自己実現、自己成長。文化祭を頑張った後の達成感みたいなやつが必要だと思います。

海外の大学院留学について

海外の大学院へ留学に行こうと思われた経緯を教えていただけますか。

映画「ビリギャル」から10年が経ちましたが、ビリギャルはもともと頭がよかったんだと言われ続けてきました。え、それだけじゃないんだけどなと。坪田先生じゃなかったら、うちのお母さんが「あんた何でそんなこともできないの」と言うようなお母さんだったら、こんな話は生まれてないと思うんです。2人のアプローチがちょっとでも違ったら、私はこうなっていないと思うから、地頭だけでは説明がつかないと10年間思っていたんです。それを、もっと具体的に、科学的に、説明できるものはないんだろうかと思ったときに、認知科学に出会ったんです。その時に、坪田先生とうちのお母さんがやってくれたことは、私の認知を変えることだったんだということに気づいて、認知科学をもっと学んだらビリギャルを解説できるようになるかもしれないと思って、まず日本の聖心女子大学に学習科学を学びに行きました。

でも、そこでも私の中でもやが晴れなかったのと、コンフォートゾーンから抜け出して自分を追い込みたかったのもあって、聖心女子大学で修士論文を書きながら英語の勉強を始めて、翌年にコロンビア教育大学院へ行ったという感じです。

留学で何が一番学びになりましたか。

コロンビア教育大学院の修士号以上に、ニューヨークという日本の文化とほぼ真逆のところに2年間住んだ経験が宝でした。慶應に行った経験よりも人生が変わった。

留学に行こうと思った時は、めっちゃ怖かったんです。私は英語もしゃべれないし、当時結婚を予定している人もいたし、年齢的にも30過ぎだったので、子どもとか結婚とかいろいろ考えていた時期でした。だから、留学に行くのはすごく怖かったです。ただ、日本から出て、日本のよさも課題もめっちゃ分かった。日本にいながら、私は偉そうに、日本の教育はああだこうだ、日本の教育を変えなくちゃとか言ってコロンビア教育大学院に行ったんだけど、何も分かってなかったなと本当に恥ずかしくなるぐらいでした。日本のことって日本の外に出てみて初めて分かるよって坪田先生がずっと言ってたんですけど、その意味がすごく分かった。ニューヨークに行ったら、それまで33年信じていたものが全く別ものなわけですよ。みんな信号なんか守らないし、こんなにおいしくないご飯が高いんだとか、ウォシュレットなんかないし、夜ひとりで出歩けないし。

あとは、授業で教授が問いを投げると、西洋人がわっと手を挙げてずっとしゃべるんです。大学院での授業は、ディスカッションをして、みんなの持っている知識とかバックグラウンドを闘わせて、新しいアイデアとか視点を学ぶので、教授がずっとしゃべっている授業はほとんどないんです。そして、教授が問いを立てて投げると、手を挙げるのは西洋人なんです。西洋人は自分の意見を言うことにすごく慣れている。一方、東アジア人は、教授は何を求めているんだろうというマインドで、正解は何だろうと考えるから、手が挙げられないんです。

先生の顔を見て合っているか様子を伺うみたいなことでしょうか。

そうそう。知識偏重型というかテスト偏重型というか、それが東アジアの文化なんだけれども、西洋は、答えなんかいくらでもいっぱいあるじゃないの、あなたの答えはこれだけど、私の答えは違うわという文化で、その文化の中で授業を受けるから、おお、それでもいいんだと思えるようになる。自分が信じてきたものを1回ぶっ壊される経験が、私にはめちゃくちゃよかったです。人に優しくなるし、私自身は生きやすくなった。それが留学に行って一番よかったことかな。

そうすると、小林さんが今、日本の教育に関して課題に思われていることというと、正解を求めにいく教育スタイルになるんですか。

私は、実は、日本の教育はそんなに悪くないと思います。ただ、さっきの視点で言うと、正解を求める文化、教育で生きてきたから、X(旧Twitter)でもアンチが穴を探してつつくわけでしょう。そういうのも、正解は世の中に一つであるという教育の弊害でもあるとは思うんです。でも、ニューヨークの学校で、朝、先生が来ないことが普通にあるし、そもそも勉強を教えてもらえないとか、貧しくて鉛筆すら買えないということがいっぱい起こっているのを見ると、日本の学校教育は悪いどころか素晴らしいことが多いように思います。

日本の識字率はとても高いですもんね。

字が読める、書ける、これが保障されている日本の学校教育は、マジで世界的に見て奇跡だと思います。素晴らしいと思います。

私がいたアメリカの学校教育は、めちゃくちゃ下もいれば、めちゃくちゃ上もいる。

日本は、下は絶対出さないけれども、上も出さない。天才児でも押し込められて、とっくに分かるような問題でもみんなに合わせて解き進めないといけないから伸ばしてもらえないとか、本当はめきめき育つような能力を持っているのに、そつない感じになる、みたいなことが起きていると思っています。でも、下を出さないというのは本当に素晴らしいし、日本の子どもたちの平均IQはめっちゃ高いと思います。勤勉だし、基礎能力は抜群だし、数学はやっぱり強いし、食いっぱぐれない能力をつけるというところは素晴らしいと思うので、アメリカと日本の両方のいいとこ取りの教育ができると最高だと思います。

英語学習サービス「AGEL English」について

2025年11月から英語学習サービス「AGEL English」を立ち上げられていますが、このサービスによって、今後されていきたい活動や、今こういうことができるということを教えていただけますか。

私は、日本の子どもたちがどうしたらもっと生きやすくなるだろうとずっと考えています。アメリカで認知科学を学んで知ったのが、子どもたちが生きやすくなるためにはまず大人が先に自信を持たないといけないこと。大人がマインドセットとか生き方、考え方をアップデートさせない限り、子どもたちの環境は一生制限されて、よかれと思って蓋をされるようなことが終わらないんじゃないかと思ったんです。「そんなんやめときなさい、危ないから、どうせ無理なんだから」と言われてきたんだけれども、そういう環境では失敗体験を積めないじゃないですか。失敗体験がないと成功体験は積めない。成功体験がないと自信が持てない。

これは自己効力感と言われる自信なんですけれども、自己効力感は明確に成功体験から来る自信なんです。自己効力感が積みづらい、なぜならば失敗が許されないからというのは、日本では何百年も前からずっと一緒なわけです。なので、まずは大人に成功体験をさせて、成功体験を積んでもらって、自己効力感を上げてもらう。自己効力感は何歳でも明確に上がるんです。顔が変わるぐらい。それで、成功体験を積んで自己効力感が上がると、マインドセットが変わる。認知が変わるので、周りの子どもたちが挑戦しようとしているときに、かける言葉が変わります。だって、自分が「頑張れば伸びる」を体験したんだから。そしたら、子どもたちの環境が変わるじゃないですか。

そう思ったときに、英語は最強のツールだと思ったんです。日本人は英語ができないことで有名だけれども、おかしいと思いません?あんなに勉強したのに。

確かに、我々も10年以上は勉強していますね。

私は自分が英語を学んで、こうやったら英語はしゃべれるようになるんだという道筋が見えたんです。でも周りには、英語がしゃべりたい大人、英語ができなくてコンプレックスを感じている大人は日本にめちゃくちゃいる。そしたら、英語を手段に日本の大人が自信をつけることができれば、結果的に子どもたちも生きやすくなるんだと思ったんです。それで、大人向けの英語学習サービスを作りました。ビジョンは、「大人になるって楽しそう!」と、「子どもたちが憧れる日本をつくる」です。

英語学習によって、大人から子どもまで日本人全体のマインドセットが全体的に変わっていく。

「挑戦すればいいじゃん、失敗も悪くないよね!」と言える大人が増えて、子どもたちも成功体験が積めるような社会に日本をアップデートしたいんです。2025年11月にローンチしたばかりなんですけれども、モニター生を含めて受講生が300人を超えていて、年齢層は30代、40代が一番多いです。60代の人もたまにいます。前期一番伸びた人は60代女性で、もう私たちが感動するくらい短期間で英語が話せるようになった。学生以来、英語なんかやったことないという人で、孫がインターナショナルスクールに通い始めそうで、孫と英語でしゃべりたいという動機でうちに応募してくれて、私たちが言ったことを全部忠実にやってくれたら、2か月でめっちゃかっこいい自己紹介ができるようになったんです。そしてついには、小さなお孫さんに英語で話しかけるようにまでなったとのこと。そういうふうに、大人のマインドが変わると、子どもたちの環境も変わっていくのだと思います。

「AGEL English」のカリキュラムの特徴はありますか。

うちはテキストは作ってなくて、そもそもしゃべりたいことがあなたの中にあるんでしょう、それをしゃべればいいんじゃないの、という考え方なんです。

レベルごとにコースが分かれているんですけれども、毎週違うトピックが出て、例えば、「今週は家族のことについてしゃべってください」と。でも、日本人はそもそも言いたいことがまとまってないんです。そんなの突然言われても、という感じになる。だから、このトピックで何をしゃべりたいんだろうということを日本語で考えるというところから始める。それを文章にしてコーチに送ると、モデルのスクリプトとモデル音声が送られてくるんです。これを1週間かけて練習して完コピして言えるようになると、完璧に伝わる英語になるわけです。それを続けていくと、例えば次にアメリカに旅行に行った時に、しゃべりかけられた時にも英語を話すことに脳と口が慣れていて、すらっと英語が出てくる。そうするとめちゃくちゃ成功体験になる。

あるトピックと、それに対するモデルのスクリプトとモデル音声を通して練習を積むことで、「使える」単語や文法、構文をたくさんストックさせるのがうちのやり方です。それをグループ型学習でやるから、マンツーマンみたいにリスケもできないし、サボったら自分だけ取り残されるしで、結構追い込まれてみんな必死でやるので短期間ですごく伸びる。さらに、挫折しやすい英語学習で10週間頑張って走り切れた!という成功体験にもなって、どんどん英語学習にのめり込んでいく。「できた!」がないと、英語なんてつまんなくなってやめちゃう。だからこそ、小さな成功体験を積めること、そしてちょうどよく追い込まれる環境が不可欠なんです。

70%近くの方が3回以上この10週間のプログラムを継続しているんですが、そうしているうちにどうやったら英語がしゃべれるようになるかの道筋が見える。これが私たちのゴールです。AGEL Englishを卒業しても英語は一生続く道のりなので、引き続き自力でずっと伸ばしていってもらいたいんです。受講生の中には、自信がついたのでワーホリに行ってきます!とか、留学に挑戦します!と言い出す人も少なくなくて、それぐらい、認知が変わると人って人生が本当に変わるんです。TOEICやVersantなどのスコアも気づいたらアガるし、スピーキングがとにかく早く上達しますよ。

弁護士に対するメッセージ

最後に、弁護士に対して、こうあってほしいということがあれば、メッセージを頂戴できますでしょうか。

弁護士さんに憧れている子どもたちはたくさんいるので、ぜひ子どもたちのロールモデルで居続けてほしいです。職業としてのロールモデルとしてだけじゃなくて、みなさんおひとりおひとりの生き方を、子どもたちにいっぱい見せてあげてほしいです。私は教育って、「憧れ」だと思っています。何かを特別教え込まなくても、かっこよく生きている大人の姿を見せるだけで、子どもたちは夢を持ってどんどん後ろからついてきます。私も、微力ながらそういう大人を増やすために、今の事業を頑張りたいと思います。

小林さんみたいな方と直接お話しできる機会ってなかなかないので、弁護士になってよかったなと思いました。

いやいや、弁護士さんたちって相当な努力をされてきた方ばかりだと思うので、尊敬しています。弁護士さんたちの中で英語やりたい!という方は、ぜひお声がけくださいね。弁護士になるための勉強に比べたら、英語なんてめっちゃ簡単なので!(笑)

貴重なお話をありがとうございました。一同にとって、とても素晴らしい機会でした。

2025年(令和7年)11月27日(木)

インタビュアー:インタビュアー:大東あい
黒岩太一
豊島健司

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