大阪弁護士会の活動

人権擁護委員会

入所する前に社会で内視鏡検査により大腸ポリープを発見された受刑者が、受刑期間中に一度も内視鏡検査を受けられず、ポリープの状態を把握されなかった件について、刑務所に対し、速やかに内視鏡検査を実施するよう勧告した事例

2020年(令和2年)2月25日

【執行の概要】

受刑者である申立人は、入所前の2013年(平成25年)9月に市中の病院で内視鏡検査により大腸ポリープを発見され、遅くとも2016年(平成28年)3月、大阪刑務所の職員に対し、市中病院にて大腸ポリープが発見されたこと、年一回程度の割合 で定期検査を受けるよう同病院の医師から指導されたことを伝えていた。
ところが、大阪刑務所は、2016年(平成28年)11月に便潜血検査は実施したものの、同検査結果が陰性であったことから、以後何ら具体的な検査を実施していない。
しかし、便潜血検査だけで大腸ポリープの状態を正確に把握することは困難であり、日本消化器病学会が編集する大腸ポリープ診療ガイドラインにおいても、径5㎜以下の微小線種については、経過観察の方法として3年に1回程度の内視鏡検査が推奨される旨記載されているところである。

この点、申立人に対して、大阪刑務所は上記事実の申告を受けてから本日まで4年近く内視鏡検査を行っておらず、市中病院で指摘されてからは、実に6年半近くが経過しており、刑務所が申立人の大腸ポリープの状態を適切に把握しているとは言い難い。よって、大阪刑務所に対し、速やかに内視鏡検査を実施するよう勧告した。

入所する前に社会で内視鏡検査により大腸ポリープを発見された受刑者が、受刑期間中に一度も内視鏡検査を受けられず、ポリープの状態を把握されなかった件について、刑務所に対し、速やかに内視鏡検査を実施するよう勧告した事例

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