大阪弁護士会の活動
人権擁護委員会
人権救済事例集
- [ 2024年(令和6年)6月19日 ] 拘置所は、被収容者を対象に新型コロナウイルス感染症にかかるワクチンを含む予防接種を実施するにあたり、接種対象者の要件を正確に確認し、要件に該当する被収容者が接種を希望した場合には、当該被収容者に対し、速やかに接種を受ける機会を提供することを勧告した事例
- [ 2024年(令和6年)5月27日 ] 警察署留置施設から大阪拘置所へ被留置者を移送する際の引継書に、申立人がHIV感染症に罹患している事実が記載されなかったため、必要な治療が中断してしまった事案に関し、特に、感染症等、治療の遅れが悪化の原因となる症状がある場合、引継書の記載には誤りや不足がないよう、慎重に確認することを大阪府警察本部長に要望した事例
- [ 2024年(令和6年)3月26日 ] 未決拘禁者である申立人が、戸籍上の氏名に通称を付した発信者名による弁護人宛の封書等を発信申請したところ、大阪拘置所が受け付けずに返戻し、また、申立人が、戸籍上の氏名を発信者名とした弁護人宛の封書に、返戻された前記封書の封皮等を同封して発信申請したが、大阪拘置所がやはりこれを受け付けず返戻し、同人が前記封書の封皮等を除くまで発信申請を許可しなかったことは、人格権の一部として保護すべき「通称を使用する自由」を不当に制限し、弁護人との接見交通権を不当に制限するものであるとして、今後、申立人が戸籍上の氏名に通称を付した発信者名を用いていることを理由に信書の発信申請を制限しないよう、勧告した事例
- [ 2024年(令和6年)3月26日 ] 大阪拘置所が、未決拘禁者である申立人を、少なくとも1年10か月もの間、合理的な理由が存在しないにもかかわらず、監視カメラ付きの単独室に昼夜収容したことは、憲法第13条によって保障されるプライバシー権を侵害し、人格的尊厳を傷つけるものであり、今後、監視カメラによる監視を必要とする高度な危険性が存在するという具体的事情が認められない限り、被収容者を監視カメラ付きの単独室に収容してはならず、かつ、監視の方法・態様・期間等を必要かつやむを得ない範囲にとどめる運用を徹底されるよう警告した事例
- [ 2024年(令和6年)3月22日 ] 文部科学省が初等中等教育局長名義で発出した令和4年4月27日付「特別支援学級及び通級による指導の適切な運用について(通知)」(4文科初第375号)のうち、特別支援学級に在籍している児童生徒について、原則として週の授業時数の半分以上を目安として特別支援学級において授業を行うことを求めている部分を撤回するよう勧告した事例
- [ 2024年(令和6年)3月8日 ] 刑務所は、被収容者に処方薬剤の情報を伝える際、被収容者が各薬剤に関する情報を正確に理解することが難しい場合や、被収容者が文書による情報提供を求めている場合などは、医療の従事者をして、処方した薬剤の名称、種類又は内容、服用方法、効能および特に注意を要する副作用の情報を文書により提供させるよう要望した事例
- [ 2024年(令和6年)3月8日 ] 大阪拘置所が、性同一性障害と同様の傾向を有する者として処遇していた申立人を、約4カ月にわたり、動静監視及び職員の職務の正当性担保という理由で、監視カメラが設置された居室に収容したことは、憲法第13条によって保障されるプライバシー権を侵害するものである。そのため、法務省に対し、刑事施設において職員の職務の正当性を担保することを理由として、監視カメラの設置された居室へ収容することのないよう、その発出する通知を改めるよう勧告し、また、大阪拘置所に対して、監視カメラによって監視する高度の必要性がない限り、監視カメラが設置された居室へ被収容者を収容することのないよう勧告した事例
- [ 2024年(令和6年)3月8日 ] 刑務所が、受刑者である申立人の意に反し、「原型刈り」又は「前五分刈り」を選択させ、調髪を実施したことは、申立人の髪型についての自己決定権を侵害するものであるから、法務大臣が定めた「被収容者の保健衛生及び医療に関する訓令」第6条第2項を改め、受刑者の調髪について、受刑者の意に反して「原型刈り」又は「前五分刈り」を強制することのないよう勧告した事例
- [ 2023年(令和5年)10月20日 ] 市長が、ソーシャルネットワークにおいて、市長のアカウント名で、某団体の署名活動に関し、某団体代表者である申立人の氏名や勤務先、並びに申立人が特定の政党に所属する議員の親族であることを記載した投稿について、削除するよう勧告した事例
- [ 2023年(令和5年)7月25日 ] 刑務所内で重度視覚障害を有する受刑者が自弁ルーペの使用を不許可とされたことに関する警告
- [ 2023年(令和5年)3月29日 ] 警察署留置担当官は、被収容者が喉から出血した事実を把握するなど、重大な結果を引き起こしかねない疾病に被収容者が罹患している疑いをもったときは、病院を受診させる等、速やかに必要な医療上の措置を執るよう勧告した事例
- [ 2023年(令和5年)3月29日 ] 法務大臣に対し、被収容者が刑事施設から留置施設等に移送された上で他の刑事施設へ移送される場合に、自弁物品を引き続き使用する希望があれば、刑事施設から直接に他の刑事施設へ移送される場合と同様、移送先の刑事施設で自弁物品を領置せず使用を継続できるよう、訓令改正等の措置を執ることを要望した事例
- [ 2023年(令和5年)3月29日 ] 法務大臣に対し、受刑者以外の被収容者に自弁を許す品目(法務省矯成訓第3339号被収容者に係る物品の貸与、支給及び自弁に関する訓令別表9)のうち、「化粧水類」について、「女子に限る」との条件を撤廃するよう勧告した事例
- [ 2023年(令和5年)3月29日 ] 拘置所に収容中の未決拘禁者は、勾留期間が長期化した場合、未決拘禁中に運転免許の有効期限が過ぎて失効し、さらに、運転免許失効後においても再取得のための簡易な試験を受験できる期間(3年)が経過してしまうおそれがあることから、法務大臣に対し、平成16年11月16日付け法務省矯保第5794号矯正局保安課長・教育課長通知「矯正施設における特定失効者に対する運転免許試験の実施について」を改訂し、この通知の対象者を、未決勾留により拘禁されている者のうち、少なくとも運転免許が失効してから2年が経過した者まで拡大するよう勧告した事例
- [ 2023年(令和5年)3月20日 ] 私立高校の校則で定められた頭髪規定及び携帯電話持込禁止規定並びにこれらの運用が生徒らの人権を侵害しているとして申し立てられた人権侵害救済申立てに対し、頭髪規定に関しては、定期的に実施される散髪検査の運用に問題があったこと、携帯電話持込禁止規定に関しては、同規定に違反した生徒及びその保護者に対して携帯電話の解約を求めていることについて問題があったことを認めて人権侵害事実を認定し、勧告及び要望を行った事例。
- [ 2022年(令和4年)8月17日 ] 裸眼視力が矯正を必要とする被収容者に対し、自弁のコンタクトレンズと眼鏡の併用を認めるよう勧告した事例
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[ 2022年(令和4年)6月21日 ] 1 拘置所が、配室上の都合により、1ヶ月以上もの期間、未決拘禁者を露出した監視カメラ付き単独室に昼夜収容したことは、同拘禁者のプライバシー権を侵害していることから、拘置所に対し、今後、他に空き室がない等、配室上の都合により監視カメラ付き単独室へ収容せざるを得ない場合には、プライバシー権を徒に侵害することがないよう、監視カメラ付き単独室の監視カメラを遮蔽する等の措置を講じるよう勧告した事例。
2 拘置所が、明確な証拠がないにもかかわらず、未決拘禁者が故意に手錠の腕輪を外した疑いから動静を綿密に視察する必要があったとして、2ヶ月以上もの期間、同拘禁者を監視カメラ付き単独室に昼夜収容したことは、同拘禁者のプライバシー権を侵害していることから、拘置所に対し、今後、配室上の都合以外の理由で未決拘禁者を監視カメラ付き単独室に収容する場合は、プライバシー権を徒に侵害することがないよう、監視する高度の必要性があり、かつ、監視の方法・態様・期間等が必要かつやむを得ない範囲にとどまるよう、厳格に限定する運用をするよう勧告した事例。 - [ 2022年(令和4年)3月22日 ] 大阪拘置所は、刑事被拘禁者が、今後同所に対し、裁判所から呼出状が送付されるなど出廷を求められ、それを理由として出廷する許可を申し出た場合、原則として出廷を許可すべきであり、例外として当該具体的事情の下で、出廷を許可することによって同所内の規律及び秩序の維持に放置することができない程度の障害が生ずる具体的蓋然性があると十分な根拠に基づいて認められ、そのため出廷を制限することが必要かつ合理的と認められる場合に限って不許可とされるよう勧告する。
- [ 2022年(令和4年)3月17日 ] 申立人らは、1949年(昭和24年)8月から1950年(昭和25年)10月にかけて、共産党員あるいはその同調者であることを理由に勤務先から解雇・退職勧告等の措置を受けたが、これは、思想・信条を理由とする差別的取扱いであるとともに、申立人らの思想・良心の自由、結社の自由を侵害する重大な人権侵害である。
このような人権侵害は、連合国最高司令官総司令部(GHQ)の指示や意向を受けて、国が主導した政策に基づくものであり、国に対し、申立人らについて可及的速やかに名誉回復や補償を含めた適切な措置を講ずるよう勧告する。 - [ 2022年(令和4年)2月24日 ] 堺市が平成28年3月に定めた「障害を理由とする差別の解消に関する堺市職員対応要領」、及び「講演会やイベント開催時の配慮」に関するガイドラインを各職員に周知徹底し、障害児者の参加が見込まれる講演会やイベントの開催時にはその内容を厳守するとともに、障害児者による円滑な情報の取得・利用・発信のための情報アクセシビリティの向上に努めることを要望した事例
- [ 2021年(令和3年)12月24日 ] 大阪刑務所の被収容者が裁判所の召喚に基づいて他の刑事収容施設に移送される場合に、当該被収容者が携行せずに残置する私物がどのように処置されるのかにつき明確に手続を定め、当該被収容者の私物を輸送する際の費用を自己負担させないよう定めるとともに、それらの手続内容を当該被収容者に説明するよう勧告した事例
- [ 2021年(令和3年)10月19日 ]
1 生活保護の被保護者に対し、育児、介護・療養等を必要とする世帯員の存否、状態などの当該世帯の状況や、それに適した被保護者の就業形態に留意することなく増収指導及び転職指導を行ったことが、職業選択の自由(憲法22条1項)を侵害するとして、上記事情に留意した適切な助言・指導を行うよう警告した事例。
2 生活保護の被保護者に対し、妊娠・出産が就労や自立の阻害要因であることを示唆する指導を行ったことが、自己決定権・リプロダクティブ権(憲法13条)を侵害するとして、そのような指導を行わないよう警告した事例。 - [ 2021年(令和3年)8月20日 ] 警察署の留置施設において、全ての被収容者に適用される明確な最低限度の給水基準を設けるとともに、各被収容者について、給水を行った各時刻・各給水量を記録することや、一定時刻に一定量の給水を行うことなど、上記給水量を確保するための方策を検討すること及び警察署の留置施設においては、被収容者からの給水の求めには原則として応じるものとし、応じなかった場合は、被収容者が給水を要望した時刻及び給水を行わなかった理由を記録することを要望した事例。
- [ 2021年(令和3年)7月26日 ] 1.留置施設の担当官が留置者を外部医療機関で受診させる際、手錠カバーを装着せず、留置者が手錠を掛けられた姿を外来患者等に見られたことが留置者の人格権等を侵害したとして、護送中は、留置者に掛けられている手錠が見えない措置をとるよう勧告した事例。
2.留置施設の担当官が、留置者の同意なくその氏名を他の留置者に開示したことが留置者のプライバシー権等を侵害したとして、留置施設においては、留置者の氏名等の個人情報を、本人の同意なく他の留置者に開示しないよう勧告した事例。 - [ 2021年(令和3年)3月25日 ] 1.大阪拘置所が未決拘禁者を約2年3か月にわたって監視カメラ付きの居室に収容した処遇について、プライバシー権等の人権を侵害するものと認定し、「他の方法で未決拘禁目的を達成できない高度の必要性が認められない限り」、監視カメラ付きの居室で収容しないよう警告した事例。
2.大阪拘置所における公職選挙法第2条に基づく国政選挙を実施する場合、被拘禁者が遺漏なく投票権を行使できるよう、投票日及び不在者投票制度の内容、投票の方法等を記載した書面を交付することによって周知することを要望した事例。 - [ 2020年(令和2年)2月25日 ] 被疑者からDNA型鑑定資料を令状によらず任意に採取する場合には、同資料が原則として令状に基づいて採取されるべきである点に鑑みて、採取の意味、利用・保存方法等の説明を書面により十分に行い、書面による承諾を得るよう勧告した事例。
- [ 2020年(令和2年)2月25日 ] 大阪刑務所の昼夜単独室に収容されている受刑者が全国戦没者追悼式の中継ラジオ放送の聴取を希望しない場合には、同室での同放送を止めるように勧告した事案
- [ 2020年(令和2年)2月25日 ] 入所する前に社会で内視鏡検査により大腸ポリープを発見された受刑者が、受刑期間中に一度も内視鏡検査を受けられず、ポリープの状態を把握されなかった件について、刑務所に対し、速やかに内視鏡検査を実施するよう勧告した事例
- [ 2020年(令和2年)2月4日 ] 大阪府教育委員会が教職員の定年後再雇用の採否を決するために、その教職員に対し、学校行事にて国歌斉唱時に起立を命じる内容の職務命令に従う意向の有無を尋ねないこと、及び、教職員が学校行事にて過去に国歌斉唱時に起立斉唱しなかったことや、今後起立斉唱する意向を表明しないことを、同委員会が教職員の再任用・非常勤講師採用を拒絶する理由として用いないこと、をそれぞれ勧告した事例
- [ 2019年(令和元年)12月23日 ] 大阪拘置所に対し、死刑確定者が発受する信書の内容のうち、民事訴訟の遂行に関する相談や協議に関する部分は、その差止め及び削除をしないよう勧告した事例
- [ 2019年(令和元年)7月11日 ] 2019年(令和元年)7月11日 私企業がその従業員に対し、大韓民国等本邦外出身者の国民性を侮蔑する文書を配布しないこと、及び、中学校の歴史及び公民の教科書採択に際して特定の教科書を採択させるための運動に従事させないことを勧告した事例
- [ 2019年(平成31年)3月29日 ] 大阪刑務所において販売する自弁品について、その品質及び価格帯が受刑者の生活実態に適合したものとなるように販売業者と協議して改善させることを勧告した事例
- [ 2018年(平成30年)11月8日 ] 刑務所の受刑者が入浴するにあたって、受刑者にひげそりを貸与する際には、ひげそりに記載されている、受刑者特定のための称呼番号を、刑務所職員だけでなく、受刑者自身にも確認させるよう要望した事例
- [ 2018年(平成30年)11月8日 ] 警察官が、任意同行中の被疑者を長時間、警察署内に留め置いて監視を続けたことに対して、任意同行中の被疑者が退出の意思を表明した場合には、直ちに被疑者を退出させるよう勧告した事例
- [ 2018年(平成30年)6月12日 ] 退去強制令書に基づく長期の収容が人身の自由や家庭生活を送る権利を侵害するおそれがあるものとして、仮放免許可を行うよう勧告した事例
- [ 2018年(平成30年)3月15日 ] 勾留中の被疑者について親族からの適法な面会申入れがあったにもかかわらずこれを認めなかった事例
- [ 2018年(平成30年)3月15日 ] 拘置所における治療困難ながん患者について、速やかに医療刑務所へ移送することを怠った事例
- [ 2017年(平成29年)12月12日 ] いわゆる軍隊式行進等に関する事例
- [ 2017年(平成29年)12月12日 ] 視覚障害を有する受刑者に対して視力の補正器具の使用を認めなかった事例
- [ 2017年(平成29年)12月12日 ] 拘置所内で開催された行政手続きに関する告知・聴聞手続について
- [ 2017年(平成29年)7月31日 ] 拘置所による再審請求者から再審請求弁護人に対する信書発信の制限に関する事例
- [ 2017年(平成29年)7月31日 ] 女性被拘禁者の収容区画の巡回と監視カメラに関する事例
- [ 2017年(平成29年)7月31日 ] 刑事施設収容者の医療を適切に受ける権利に関する事例
- [ 2016年(平成28年)10月19日 ] 被拘留者の弁護人宛信書の特別発信に対する拘置所の対応(不許可)に関する事例
- [ 2016年(平成28年)3月30日 ] 未決拘禁者の弁護人との通信に関する事例
- [ 2016年(平成28年)3月30日 ] 受刑者の隔離処分に関する事例
- [ 2016年(平成28年)3月18日 ] いわゆる日の丸・君が代問題に関する事例(その2)
- [ 2016年(平成28年)3月18日 ] いわゆる日の丸・君が代問題に関する事例(その1)
- [ 2016年(平成28年)2月25日 ] 社会福祉法人が授産事業によって形成させた内部留保金に関する事例
- [ 2016年(平成28年)1月19日 ] 大阪拘置所におけるレントゲン検査に関連する事例
- [ 2016年(平成28年)1月15日 ] 大阪市交通局における「職員の身だしなみ基準」で規定されているひげに関連する事例
- [ 2016年(平成28年)1月12日 ] 受刑者の保護室収容・保護室収容中の受刑者との面会等に関連する事
- [ 2016年(平成28年)1月12日 ] 監視カメラ付き単独室への収容・刑務所の内規に基づく隔離措置の運用・被収容者の通信の発受信における旧姓使用等に関連する事例
- [ 2015年(平成27年)11月6日 ] 刑事被拘禁者が裁判所から民事訴訟期日に出廷するよう求められたことを理由とする出廷許可申請が認められず訴訟終了となった事例
- [ 2015年(平成27年)10月9日 ] いじめを受けたとの申告に対し学校が十分に対応しなかった事例
- [ 2015年(平成27年)9月3日 ] 受刑者の苦情申し出の手続きに関する事例
- [ 2015年(平成27年)9月3日 ] 人権救済申立等の発信制限・留置施設における診察情報の提供・受刑者の面会状況等に関連する事例
- [ 2015年(平成27年)6月29日 ] 受刑者に対し適時に診察を受けさせなかった事例
- [ 2015年(平成27年)6月26日 ] 警察官による取り調べ時の威圧的態度等に関する事例
- [ 2015年(平成27年)1月15日 ] 未決死刑囚が上告趣意書を作成するために死刑に関連する書籍等の閲読を希望したが、これが不許可となった事例