大阪弁護士会の活動

人権擁護委員会

刑事施設収容者の医療を適切に受ける権利に関する事例

2017年(平成29年)7月31日

 申立人は、神戸刑務所に収容されて間もなく、血便・下痢等の症状に悩まされるようになり、刑務官や医師にそのことを訴え、一定の投薬等の治療を受けたが症状は改善せず、むしろ悪化し、直腸がん等の重篤な疾患等が疑われるような状況であった。申立人は収容期間中1年半にわたり、繰り返し適切な診療等を求めたが同刑務所は適切な検査・治療を受けさせなかった。
 申立人は、出所後すぐに病院で検査を受けたところ、ステージ3の大腸がんであることがわかり手術を受けるとともに抗がん剤治療を受けたが、現在も排便障害が残っている。
 同刑務所の上記対応は、申立人の医療を適切に受ける権利を侵害するものであることから、二度と同様の事態が生じることのないよう、適切な医療体制の構築を行うなど、収容者の適切な医療を受ける権利が守られるような措置を講じるよう警告を行ったもの。

刑事施設収容者の医療を適切に受ける権利に関する事例

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