大阪弁護士会の活動

ないな、可視化しかないな。取調べの可視化の実現を!

1 もし逮捕されたら・・・・・

あなたやあなたの家族、友人が逮捕されると、警察官や検察官から取調べを受けることになります。取調べでは、あなたの話をもとに、警察官や検察官が「供述調書」を作成します。   しかし、捜査官は本当にあなたの言い分を正確に聞き取ってくれるでしょうか?あなたの話した言葉は、正確に供述調書に記載されているのでしょうか?
裁判例では、警察官による暴行や脅しで無理矢理供述を迫ったことが認めれられたこともあります。 取調べの内容が問題になった場合、実際にどのような取調べが行われていたのか、後の裁判で確認することは非常に困難でした。
これまでの取調べには、密室で行われ、第三者による監視がなされていなかったという重大な問題がありました。
密室の取調室の扉を開く必要があったのです。

2 刑事訴訟法が改正されました!

2019(令和元)年6月1日、刑事訴訟法301条の2(以下、「可視化法」といいます)が施行されました。
可視化法により、裁判員裁判対象事件や、検察の独自捜査事件という“一部”の類型の刑事事件について、取調べの全過程を録音・録画することが義務付けられました。
可視化法の施行に至るまで、取調べは完全な密室で行われており、第三者の監視が及んでいませんでした。可視化法の施行によって、密室の取調室の扉が開き、捜査機関による違法・不当な取調べの根絶に一歩近づいたと言えます。

3 本当に録音・録画されているの?

可視化法の施行によって、検察では、録音・録画義務化対象事件でなくとも、録音・録画を実施することがスタンダードになりつつあります。
しかし、警察においては、可視化法で録音・録画義務化の対象となっていない事件については、未だ録音・録画が行われません。
可視化法の施行によっても、一部の事件についての録音・録画が義務化されたにとどまります。録音・録画されていない取調べにおいて違法・不当な取調べが行われると、事後的な検証が困難であるという問題はなお残っています。そのため、全ての事件について、録音・録画が実施されなければなりません。私たちも全件録音・録画に向けた取り組みを継続していきます。

4 各種資料

月刊大阪弁護士会連載 シリーズ『可視化の現在 立会いの未来』

これまでに大阪弁護士会がとりまとめた取調べの可視化に関する意見書、会長声明等

シンポジウムで取りまとめられた意見

5 パンフレット、マニュアル、ツール等

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