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マンガで労働法! 緑橋昂輝&白田弁護士の労働事件簿

第2章 新人研修で労災&パワハラ!?

労働局の指導があって、会社は研修内容を見直しすると発表しました。倉庫も休憩室に模様替えされて、誰かが隔離(かくり)される心配はなくなりました。

それは良かった。緑橋さんが、思い切って労働局に相談した甲斐がありましたね。

労災について質問しただけで、嫌がらせをされるとは予想してなかったです。

労災給付の申請をすると、労働(ろうどう)基準(きじゅん)監督(かんとく)(しょ)の調査があり、会社に対する指導が行われることもあります。これを面倒がって、会社が手続に協力しない例や、ひどい時には妨害することがあります。

「労災」と言われても、工事現場で機械を操作している時に事故が起きた、みたいなイメージでした。

労災は「仕事で怪我や病気になった」場合が広く対象となります。研修中の怪我についても給付を受けられます。

倉庫に入れられて、就業規則の書き写しだけするように言われたのは、メンタルきつかったです・・・・。

厚生労働省のガイドラインで、個室への隔離(かくり)を含めた「人間関係からの切り離し」や、仕事を与えない・程度の低い仕事だけさせるといった「過小(かしょう)な要求」も、「パワーハラスメント」に当たるとされています。

怒鳴ったりするだけがパワハラではないんですね!
会社に相談した時、僕の方が悪いような言い方をされたのも、メンタル崩壊しかけました。

相談に対する会社の対応が不適切なために、労働者がダメージを受ける二次被害も良くあります。パワハラ防止を求める法令では、企業が相談窓口を設ける際に、労働者を萎縮(いしゅく)させないよう適切な対応を行うことが求められています。

僕はそこまでしなかったけど、会社に慰謝料(いしゃりょう)を請求したりすることも出来ますか。

無理な研修で怪我をさせたことが、労働者に対する安全(あんぜん)配慮(はいりょ)義務(ぎむ)違反(いはん)にあたるとして、会社に損害賠償請求できると思います。実際に、新人研修で長距離の歩行訓練をさせたケースで、損害賠償が認められた裁判例があります。※①
就業規則の書き写しについても、慰謝料請求を認めた裁判例があります。※②

※①サニックス事件(広島地裁福山支部・平成30年2月22日判決 労働判例1183号29頁)

※②JR東日本(本荘保線区)事件(最高裁第二小法廷・平成8年2月23日判決 労働判例690号12頁)

説明を聞くと、会社はルール違反ばかりで、びっくりです。

労働トラブルが起きたとき、「会社のやり方が実は法令に違反していた」ということが、しばしばあります。法律の知識を身につけ、分からないことがあれば弁護士に相談するといいでしょう。

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